手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

圧倒的優位

圧倒的優位

 

 オリンピック開始前から、今回の大会はかなり日本のアスリートには有利に作用するのではないか。と言われていましたが、ふたを開けてみたなら、圧倒的な勝利の連続でした。この先百年を待っても日本のスポーツ界にこのような幸運は来ないかも知れません。

 そもそもアジア開催は、ヨーロッパ勢にとって、13時間もの時差があるために、体調を整えるのが難しく、彼らにとっては苦手な地域です。

 しかも今回はコロナ禍での開催で、外出もままならず、狭い部屋に閉じ込められてストレスもたまったと思います。

 スポーツ施設の仕様も、自国の施設と違って何かと使いにくいなどの難点もあったでしょう。

 何よりつらいのは、日本の夏の気候です。猛暑である上に、湿気が強く、この後の、マラソンなどの種目などは、相当に海外勢にとっては不利なのではないかと思います。

 無論、その点を配慮して、オリンピック委員会はマラソンを札幌開催としたのですが、運悪く、今年の札幌は東京以上の猛暑が続いています。ひょっとして脱落者が続出するのではないかと心配になります。

 実際、日中、外に買い物などに行くと、頭がくらくらして、日射病に罹りそうになります。こんな時に外で100m走をした人の辛さは想像を絶する行為でしょう。

 

 それにつけても、金メダルラッシュです。無論、日本人の努力のたまものではありますが、やはり、いろいろな条件が日本のアスリートにとって追い風になっているように思います。

 まず柔道の金メダル9個は圧倒的です。柔道は日本のお家芸とはいいながら、これまで長く低調でした。

 前回の東京オリンピックですらメダルは4つだったのですから、今回の成果は立派です。しかも、コロナ禍にあって、人と人が組む種目は練習できない状況にありました。そうした中で柔道が地味な活動を続けて来たことが大きく実ったわけです。

 レスリングも同様に、元々日本は強かったのですが、今回その実力が発揮され、大きな成果が出ました。

 

 体操は、西村選手の不調から危ぶまれましたが、橋本大輝さんが出て来て、がぜん注目度が上がりました。金メダルを2つ、団体で銀を一つ。合計三つのメダルは驚きです。19歳のスターが忽然と現れると言うのが日本体操界の厚みでしょうか。

 スケボーでは若い4人のスターが現れました。先日13歳の西矢椛さんをすごいと書きましたが、昨日(4日)は、開心那(ひらきここな)さんが12歳で銀メダルを獲得しました。ひよっとするとこの先、おむつをした選手がスケボーに乗って現れるかも知れません。金メダルは19歳の四十住さくらさんです。

 西矢さんと言いい、開さんと言い、もし、昨年予定通りにオリンピックを開催していたら、選手にも選ばれなかった可能性は十分にあります。開催が一年延期になったことで滑り込みセーフだったわけです。

 アスリートにとってこの一年は、ピークが過ぎて体力が落ちた人、逆に、一年延びたことで実力が付き、練習の成果が上がった人など、明暗を分けたと思います。

 四十住さくらさんは和歌山県の出身で、さくらさんの町にはスケートパークがなかったそうです。そのため母親が車で送迎して、毎週神戸まで往復6時間かけて送迎して練習をさせてくれたそうです。

 驚きです、毎週親子して紀伊半島を車で飛ばして練習場に通っていたのです。母親がいなかったら今のさくらさんはいないわけで、オリンピック選手は、いかに素質が優れた人がいたとしても、一人では育たないのです。家族の無償の支援は偉大です。

 

 野球は面白い戦いでした。一昨日(3日)のアメリカ戦も、一時アメリカに点数で抜かれ、「これはもうダメかな」と思っていると、さよならヒットで逆転勝ちしました。

 決勝の韓国戦は、始めからかなり有利に進みましたが、毎回韓国は日本に対しては向きになって戦いを挑んできますので、油断できませんでしたが、無事勝利。これで野球も女子のソフトボールも金メダルです。

 金メダルラッシュのお陰でオリンピック開催中止を叫ぶ人たちの声はかすれて行きました。いい傾向です。もっともっと日本はスポーツや文化が理解されて、政府も予算をかけるべきです。当初から税金の無駄使いだとか、悪く言う人がたくさんいましたが、やってみたなら、みんな納得です。数字や実績の前には誰も文句は言えません。

 

 日本でのオリンピック開催は、周辺国にとってほとんど時差がありません。韓国と日本はまったく時差がありませんから、日本でのオリンピックは、彼らにとってはやりやすいはずです。今回、中国は順調にメダルを獲得していて、現在アメリカに次いでメダル獲得数は二位です。台湾でもメダルを獲得しています。にもかかわらず韓国は伸び悩んでいます。

 日本に入国早々、選手村に横断幕を出して反日を煽ったり、旭日旗に難癖をつけて来たり、果ては福島産の食材が汚染されているからと言って、独自に食料を運んで調理を始めたり、あらゆる形で嫌がらせをしています。

 まず福島産の食材は厳密に検査を済ませ、放射能が安全なレベルであることを確認しています。これによって、他の国の選手は安心して選手村の食事を楽しんでいます。

 特にその味と種類においては驚くほど豊富で、レベルが高く、世界中のオリンピック選手を喜ばせています。結果として韓国の張った放射能キャンペーンはまったく肩透かしに終わっています。

 日本の善意でしている催しにケチをつけて、反日活動するのは、マナーに反します。嫌なら来なければいいわけで、実際、北朝鮮は不参加です。別段韓国が不参加でも何ら問題のないことです。但し、不参加であろうと、参加して反日キャンペーンを張ろうと、独りよがりな活動を続けていればやがて韓国は孤立します。選手個人個人のマナーの悪さも目につきます。

 そもそも、今回のオリンピックは、10年前の東日本大震災からの復興を祝っての催しだったわけで、その趣旨がわからなければオリンピックに参加する理由はないのです。

 今回放射能汚染のキャンペーンを張ったことは、韓国自体が世界に顰蹙(ひんしゅく)を買っています。多くの韓国アスリートにとっては何ら関係のないことで、韓国人の品格が疑われたことはお気の毒と言うほかはありません。

 彼らの成果が伸びないのは、韓国に対する世界中の非難が目に見えない圧力となって彼らの活動を妨げているからなのかも知れません。報いは返ると言います。祝いの席で主催者に嫌がらせをするのはおよしなさい。

続く