手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

無観客のオリンピック

無観客のオリンピック

 

 一昨日(7月10日)オリンピックの無観客開催が決定されました。不可解です。菅首相も国会で、「自身も50数年前、東京オリンピックを見て感動した。今度は次の時代の子供たちにオリンピックを見せてあげて夢と感動を与えたい」。と仰っていたではありませんか。

 聞くところによると、7300億円の開催費が、実際開催されると、一兆5千億円かかるとか。当初予算の二倍です。コンパクトなオリンピックをする。と言うのが公約だったものが、決まってしまえば使い放題です。まぁ、これはいつものことですが、

 いや、予算がかかるのは致し方のないこととしても、これだけの費用をかけた催しを日本国民が誰一人見られないと言うのは、どういうことですか。

 一体誰のためのオリンピックなのですか。国立競技場は何のために新築したのですか。こんなことなら木下サーカスからテントを借りて、開会式を開催すれば、思いっきり安上がりになったはずです。目の前でオリンピックが開催されていながら、見せないとはどういうことですか。かけた国民の税金は無駄遣いではありませんか。

 「テレビで見たらいい」。と言う人もあるでしょう。いやいや、テレビで見るなら日本で開催する理由はありません。どこの国のオリンピックを見ても同じです。一兆五千億円もの国民の金を使っておきながら、国民にテレビで見ろとはどういう言いようですか。

 切符を買った人たちにはどう保証しますか、チケットの金額を返金してそれで済む話ですか。散々待たせておいて見せない、返金するは失礼です。少なくともお詫びに新宿末広亭浅草東洋館のチケットくらい付けなければ申し訳ないと思いませんか。

 そもそも、スポーツ観戦にコロナ感染はどれだけ影響があるのですか。この一年半を見ていて、劇場や競技場での感染はほとんど影響ないことはみんな分かっっているはずです。

 今、劇場などは満席で公演してもいいことになっています。そうなら、青空天井の競技場ならば、なおさら感染の影響などないではありませんか。そうならなぜ無観客にしたのですか。

 誰がこの催しを反対しているのですか。反対者は見に来なければいいのです。ただそれだけです。せっかく日本でオリンピックが開催されるなら、せめて日本人だけでも競技場に出かけて、世界中のアスリートを応援してやろうではありませんか。それが日本人にできる精一杯の支援ではないですか。

 

 つい最近まで競技場内でビールまで販売しようと言っていた話とはあまりに食い違った結論です。

 あの時も、一般の飲食店が8時までの営業時間で、アルコールの販売を禁止しているさ中に、競技場でのビール販売を許可しようとしたから国民が騒いだのであって、飲食店も競技場もアルコール解禁にしていれば誰も文句は言わなかったでしょう。

 理屈に合わない政策を取れば誰でも反対します。でも、アルコールを飲むことはそんなにいけないことですか、居酒屋では徹底して、アクリル板を並べて感染を防いでいます。これでだめだと言う理由がわかりません。

 イギリスではマスクもせずにビールを飲みながら数万人もの観客がサッカーの観戦をしている映像が映っていました。連日3万人の感染者が出ているイギリスが、コロナは収束していると宣言をして、ビールを飲んでサッカーを見ているのです。

 イギリスはそれでも結構です。そうならなぜ一日の感染者が2500人の日本で、オリンピックに観客を入れることが出来ませんか。

 ここは政治家が決断をすべきなのです。すべての責任を取ってでも、日本人にオリンピックを見せる。と宣言をすべきなのです。それが出来なければ初めからオリンピックなど開催してはいけないのです。責任者とは未知なることに責任を取ってでも、国を前進めさせるのが責任者なのです。今回の決定は、何もかも曖昧で無責任です。

 感染者が連日何人までなら観客を入れられるのですか。感染者が何人になったらオリンピックを中止するのですか。実際オリンピックが始まったら、大会を中止することが出来ますか。それは出来ないはずです。ここは責任者がすべての責任を取って、大会を開催する以外ないはずです。

 私は、責任者がすべての責任を取ることで観客を入れる。と宣言すればそれで解決だと思います。

 実際、コロナがこれからどうなるかなどと言う話は誰にも分らないのです。そもそもコロナのすることを個人が責任を負うことなどできないのです。

 ただ、形式上誰かが責任を負う、と言えば反対意見は黙ります。先ず無責任に反対する連中を黙らせて、あとは、オリンピックの内容で国民に感動を与え、感動の度合いでオリンピックの是非を判断してもらえばいいのです。

 コロナはどうなるか。心配はいりません。イギリスほどの感染者になるまでには相当時間がかかります。第一、アジアとヨーロッパでは感染の度合いが違います。

 衛生面に気を使い、マスクを義務付けて、アクリル板の仕切りが徹底している日本で、それほど桁違いな感染はあり得ません。こ一年半もそうだったはずです。決して大騒ぎするほどの話にはなりません。

 

 一時感染者を増やしても、必ず収束するはずです。今、コロナワクチンの接種はどんどん進んでいます。ここはみんなでオリンピックを見に行って、日本人のアスリートの活躍を応援しましょう。私などは、人生で二度の東京オリンピックが見られるのですから、とても幸せに思っています。こんな人生を送れるのは日本人であればこそです。この恩恵をみんなで享受しようではありませんか。

 そのためには、早々に無観客を撤回して、お客様を入れるようにしましょう。みんなでオリンピックを見に行きましょう。チケットが余っているなら私も買います。

続く

 

手妻玉ひで公演

 今月17日(土)12時から人形町玉ひでで手妻の公演があります。まだ少しお席に余裕があります。オリンピックが生で見られないなら、江戸の伝統手妻(てづま=古典奇術)の公演はいかがですか。

 手妻の他に、若手マジシャンの、早稲田康平さん、せとなさん、前田将太が出演。260年の歴史ある、日本橋人形町玉ひでのお座敷で、玉ひでの親子丼を食し、昼下がりにじっくり芸能を楽しむのは、令和の時代で望み得る最高の贅沢です。

 ご予約は東京イリュージョンまで。03(5378)2882