手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

コロナはどうなる

コロナはどうなる

 

15日の玉ひで

 一昨日、玉ひでの公演がありました。前半の若手マジシャンのコーナーも定着してきてお客様が楽しみにしています。トップは早稲田康平さん。カードマニュピレーションから、カメレオンハンカチ、ジャンボカードを使ってのあて物。手慣れた演技です。二本目は前田将太のロープ手順、ハンカチロープから三本ロープ、そのあとテーブルクロス引きを一人で演じました。喋りはまだ不慣れですが、よく受けていました。3本目はザッキーさんのハンカチに通うコイン、往年のフレッドカプスを忍ばせます。あまりに地味な手順のため演じる人は少ないのですが、いいマジックです。そのあとはライジングカード。どちらもやり込めば得意芸になるでしょう。

 私は、袖卵、サムタイ、植瓜術(しょっかじゅつ)、間に前田が入って、金輪の曲。取りに蝶のたはむれ。袖卵でいきなり袋の中で卵が割れて、袋を汚してしまいました。こんなことは人生で初めてです。汚れた袋で何とか残りの4つの卵を出しましたが、やりにくかったです。あとはいつもの通り。お客様は満席でした。中にはもう4回見に来ているお客様もいて、つくづく有り難いと思います。来月から2年目になります。継続は力とはこのことです。

 

コロナはどうなる

 結局、緊急事態宣言は解除されずに今月いっぱい延長になってしまいました。私事でいうなら、この延長でいくつかの舞台がなくなりかけています。また、大阪や名古屋の指導もずっと中止したままです。猿ヶ京のマジックの合宿なども延期になってしまいました。

 正直これは大変困ります。多少なりとも国や都から保証が出るならよいのですが、どうも出なそうな気配です。この現状では生活が出来ません。但しこれはみなさん同じでしょう。

 但し、緊急事態宣言を延長したからと言って、それでコロナウイルスが収束するのかと言うと、なかなか難しいのではないかと思います。こんな風に小出しに緊急事態を続けるなら、いっそ法律を変えて、ロックダウンをしたほうが効果はあるでしょう。

 但し、私自身はロックダウンは反対です。でも、こんなあいまいな形の緊急事態宣言なら、まだロックダウンの方がましです。私が思うには、恐らくこのまま緊急事態宣言を延長しても、高い数値で感染者が増えて行くばかりだと思います。その後は、ワクチンの効果が出て来て、徐々に収まって行くのではないかと思います。

 

 今のイギリス型ウイルスが当初のウイルスよりも感染しやすいとは言いますが、だからと言って爆発的な繁殖は考えられません。なぜならば、これまで爆発的なウイルスの繁殖がなかったからです。

 当初、飲食店、劇場、デパートなどが感染源になるからダメで、電車、バスは大丈夫だと言っていましたが、そんな筈はありません。ソーシャルディスタンスの一番守られていないのは通勤電車でしょう。

 山手線、中央線のラッシュは依然として続いています。あの、人と人との顔が20㎝程の距離でぎゅうぎゅう詰めに押し込まれていて、みんなが30分40分同じ車内にいて、それで感染の心配がない。と言うなら、デパートにいようと、劇場にいようと、焼き鳥屋にいようと、どんな状況にいても感染しないはずです。

 結局、この1年4か月。通勤電車はまったく規制をせずに走っています。あれほどの混雑を野放しにして、関東、関西のコロナの感染者が今の程度で済んでいるのは奇蹟の様に思います。すなわち、コロナの感染力と言うのは弱いものなのでしょう。

 実際、世間が大騒ぎをするほどには死者も増えてはいません。ほとんどの死者は、体力のない老人か、重い持病を持った人たちです。そうした人たちは別段コロナでなくても、肺炎でも、インフルエンザでも罹れば亡くなりやすい人たちです。コロナウイルスによって日本人が大幅に死んでいるわけではないのです。

 そうであるなら飲食店などに対する緊急事態宣言も意味がないと思います。劇場もホテルも観光地ももちろん、自粛をする意味はないと思います。

 

 不可解なのは、連日テレビで、自粛を訴えていた医師会の会長が、自ら支援する政治家のパーティーを開いて、人集めをしていました。これでは医師の本心が丸見えです。医師会会長は通り一遍の謝罪をしましたが、本来これで済む話ではありません。然し、謝ってお終いです。私の知る医者のほとんどは、みんな、コロナは風邪だと言っています。医師である手前、「感染に注意しなさい」。とは言いますが、その実みんなコロナは風邪だと思っているのです。

 但し、今回の医師会の会長による自民党議員のためのパーティーは、緊急事態宣言の説得力を著しく貶められました。自民党を支援するパーティーがOKなら何でもOKなはずです。これではますます、国民に自粛を求めるのは難しくなるでしょう。

 

 ただ、何度も申し上げますが、コロナウイルスはそもそも感染しにくいウイルスです。確かに緊急事態宣言をしなければ、感染者は増えるでしょうが、これまで、連日満員電車を走らせていても一日最高3000人程度の感染者だったわけですから、この先も似たり寄ったりの結果になるでしょう。この先は一定のところで高止まりするはずです。

 そして、そのうちにワクチンが広まってきますので、私は案外早くにコロナは収束するのではないかと思います。早くとは言っても、ワクチンが行き渡るのには半年かかりますから、遅くとも年内には収まると思います。

 

オリンピックはどうなる

 そこで、オリンピックですが、とても微妙なところだと思います。私はオリンピックはやったほうが良いと思います。国や都が立候補をして決めたことですから、国際的な信用からも簡単にやめてはいけません。

 反対者は、海外からくる選手や関係者によって、コロナウイルスが運ばれてくることを懸念する人が多いのだと思いますが、検査機関を設けて、医師を配して、万全な状態で大会を運営するわけですから、これは信用して、是非やったらいいと思います。

 観戦チケットを、国内の観客だけの入場にするとか、客席数を減らすこともやむを得ないと思います。それでも何としても開催することは必要です。

 昨年の延期の時点で、今年開催することに決めたのですから、今回やらないという選択肢はないはずです。アスリートもそのための努力をしてきていますし、国も東京都も膨大な費用と、スタッフを使って来たのですから、オリンピックは開催したほうが良いと思います。

続く