手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

パソコン購入

パソコン購入

 

パソコン不調

 すみません。一昨日パソコンを新規購入しましたが、機械に不慣れで作動させることができませんでした。前田に手伝ってもらってようやくつながりました。

 今日(20日)は玉ひでの舞台でした。舞台を終えて、今、18:00帰ってきました。ブログを開けると、200人の読者が今か今かと待っていました。遅くなりました。これからブログを書きます。

 

中国の観光客を呼び込む

 今日の玉ひでは中国の旅行会社が企画をして、この夏以降、中国との交流が解禁されたら、中国人の観光客を日本橋に呼び込もうという企画を立てています。そのための映像を作ろうとして、今日、私のショウを収録しました。この先相当に大きな宣伝をかけるらしく、先方も気合が入っています。

 私とすれば、玉ひでで毎月10日間、あるいは15日間くらい、一日3回公演できれば、収入も潤いますし、若いマジシャンにもまともなギャラが渡せます。そしていい稽古になると思います。私とすれば連日3回公演は疲れますので、できれば少しずつ前田や大樹に出番を譲って持ち時間を減らして行こうかと考えています。

 

 多くの仲間は、私が玉ひでの座敷で公演を始めたときに、「わずか15人や20人のお客さんが見る場所で公演しても、大した収入にならないだろう」。と思っていたようですが、私の狙いは逆です。

 この夏から中国人が大挙して押しかけて来るようになると、一回40人くらいの観光客を相手に、一日三回公演すれば120人もの人が見ることになります。毎回120人が見ることはないとして、毎日100人が見たなら絶妙な人数なのです。あえて小さな座敷で公演して、噂が広がり、そこにお客様が押し掛けるようになると、見たいという人のほとんどが見られない状況になります。見られないとなれば何としても見たいと思うのは人の常です。そうなると先々まで予約が決まり、一層見たいというお客様の欲求は高まります。私が初めから狙っていたのはここなのです。これが私の言うスケールメリットなのです。

 スケールメリットというのは、「大きいことはいいことだ」。という考え方をするときに使われる言葉ですが、私のスケールメリットというのはその逆です。小さい場所で演じるからこそ話題になるのです。なぜか、

 いきなり広い会場で公演すれば、客席の空白ばかりが目立ちます。仮に、300人入る劇場で、100人しか入らなければガラガラに見えます。300人の劇場で常に100人のお客様では、人気のない公演に見えます。

 しかし、40人がマックスの座敷で三回公演して100人が来たとして。それがいつも満席で入れない公演なら、常に人の話題になり、なんとしてもチケットを手に入れたいと思うでしょう。

 でも、冷静に考えたなら、300人の劇場で100人も、40人の座敷で100人も、どちらも同じなのです。それが座敷で演じたなら、ものすごい人気で連日満杯に見えるのです。これが私の言うスケールメリットなのです。

 マジックを生業(なりわい)として生きて行こうとするなら、一回こっきりで大きな舞台公演をするよりも、1か月も2か月も先までお客様の予約が入っていたほうが安定して生活してゆけます。私はそういうやり方で、末永く手妻を見せてゆきたいのです。そして、若いマジシャンや、弟子に毎日出演の場を与えたいのです。

 

 今、ステージマジシャンは、一回舞台に出演すると、次は3か月先、半年先といった状況なのです。これではうまくなれるわけがありません。フル回転で舞台に出ていなければプロのスキルは磨かれないのです。私は常にマジシャンが出演できる場所を作りたいのです。実は、玉ひでのほかにもいくつか舞台の依頼が来ていて、うまくゆけばこの先、ステージの回数は飛躍的に増える可能性があります。そうなると私の体がいくつあっても足らなくなるほど忙しくなるでしょう。

 そこで当然、弟子や、若いマジシャンに手伝ってもらわなければどうにもなりません。まぁ、私が元気に活動しているうちに、何とか多くのマジシャンが忙しくなるように、舞台を作って行こうと考えています。

 いずれにしましても今日もたくさんのお客様にお集まりいただきました。ありがたく感謝申し上げます。前田はいつもの通り気持ちよく自己陶酔していました。ザッキーさんもだんだん手馴れてきています。この人は場の作り方のうまい人です。人に愛される要素を持っています。これがもっと強い個性になったら案外おお売れに売れるタレントになるかもしれません。どうぞ皆様応援してください。

 

神田明神のインバウンドのための企画

 明後日(22日)は神田明神の地下にある江戸っ子スタジオで、今日の玉ひでと同じように、インバウンドを対象とした公演をいたします。画像を撮って、海外に発信するようです。結構忙しくなってきました。いい傾向です。

 神田明神は、玉ひでと違い、しっかりとした舞台ができています。照明音響もしっかりしています。洋装のマジックショウをしてもいい場所です。ここは私の出演のほかにも、マジックショウを企画したいと思います。そうなったらどうぞたくさんのマジシャンに出てもらいたいと考えています。早くそうなるように皆様も応援してください。

22日、観覧ご希望の方は、東京イリュージョンまで。

続く