手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

大腸検査その2

 どうもこのところ病院ネタが多くなって、マジックのブログを期待している方々には期待はずれで申し訳ありません。私にとっては大変に興味ある体験ですので詳しく書こうと思います。

 昨日(22日)、指定されたレトルトの食事を自宅で温め、3食頂きました。朝が鳥雑炊、昼がシチューと粥。夜がハンバーグシチュ―と粥。何とも味気ないメニューです。粥も、焼きたらこか、からすみでも乗っていればまだ愛嬌がありますが、正味粥です。「これじゃぁまるで病人じゃぁないか」。と居直りたくなりますが、考えてみたら病人なんです。私は病人の予備軍です。どれも大してうまいとは思えません。レトルトの病人食に繊細な味を求めるのは無理でしょう。文句言わず食べるしかありません。

 この味気ない昼食の後に、二人の生徒さんが習いに来ました。四つ玉と、リングです。だいぶ巧くなりましたが、まだ合格は出せません。来週には合格するでしょう。

 

 晩飯を食べる前に、大樹が訪ねて来ました。シルクの帯を分けて欲しいそうです。私の所はシルクの帯を各種寸法を指定して注文していますので、一般には手に入らない帯が幾つもあります。それを一本分けました。

 そして仕事の話などを聞くと、やはりかなり苦労しているようです。大樹は元々海外の仕事が多かったのですが、今は全く海外に出られませんので、相当収入が落ち込んでいます。それでも役所や国の仕事がありますから、生活は維持できるようです。何とか生活を維持しつつ、将来のために自主公演をして、お客様を集めて、新しい作品を出してゆくのが今の仕事だと言っていました。

 今月は豊洲江東区の買取のショウがあるそうです。安定して大きな仕事があるのは幸いです。暮れにはまた玉ひでで公演をするそうです。自主公演は大切です。自分を試すうえでとても勉強になります。どんな小さな場所でもいいから、気長に続けて行くことが大切です。

 大樹は、初めて私の所に来た時には、気の弱そうな、おどおどした子供でしたが、海外の仕事や、国の仕事をしているうちにずいぶん自信が付いてきたようです。前向きに生きている限り、この先もそう悪い結果にはならないでしょう。

 

 さて、ハンバーグの晩食を食べた後、9時から、白い粉を約800㏄の水で薄めて飲んでゆきます。これはバリウムではなく、下剤だそうです。下剤を呑んで、胃腸の中の食べ物のかすを出してしまうのだそうです。つまり体内の宿便を排出するわけです。

 宿便とは長年体内に溜まった食べ物のかすです。これはかつて、断食などが流行したときに、宿便を取るのが健康にいいなどと言われて、体内の浄化を勧める本などが随分書いていました。それを断食なしで、下剤でやってしまおうというわけで、私もここらで体の中を浄化することはいいことなのだろうと思って少々興味を持っています。きっと今後の健康にいい結果になるのではないかと思います。

 白い粉を200㏄の水で溶き、それを呑みます。この液がべたアマです。砂糖水を呑んでいるようです。そのあと水を600㏄飲みます。合計800㏄の水は結構腹にたまります。その後寝るのですが、間食もできず、酒も飲めませんから、寝る以外ありません。幸いよく眠れました。すると、朝4時に目が覚めます。トイレです。

 下剤を呑んでいるのですから当然ですが、排便の後、まるで水のような便が出ます。ちょうど私が飲んだ水の分だけ出て来ました。便器を見ると茶色い水です。「ははぁ、これが宿便か」。と納得が行きました。呑んだ水がそっくり同じ量だけ排出されるのを見て、案外体の仕組みと言うのは簡単なものだと思いました。

 

 そして今日の朝です。8時半に、白い粉を2リットルの水で溶き、それをコップ一杯ずつ飲んでゆきます。これも味はほの甘く、塩気もあり、スポーツドリンクの味に似ていますが奇妙な味です。今ちょうど半分を飲み終えました。水を1リットル飲むとかなり腹にたまります。あと1リットル飲まなければいけません。

 そう言っているそばから排便がありました。水便です。体を動かすと突然便意を催しますので、トイレの近くにいないと心配です。おちおち散歩もできません。「あぁ、親父もこんなことをしていたのだなぁ」。と思うと気の毒になりました。健康のため、長寿のためとはいいながら、余りに味気ない作業です。

 このあと残りの水を飲んで、午後に世田谷健康センターに行きカメラを体に入れます。どんなことにあるか楽しみです。その情報はまた明日。

続く