手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

大腸検査説明会

 今日16日は大腸検査の説明会に行ってきました。高円寺から梅が丘の世田谷健康センターに行くのですが、1時間もあれば確実に行けるものと持っていましたが、とんでもない。ラッシュ時間の過ぎた後の小田急線は急行と各駅の接続に時間がかかり、10時5分に新宿に着いたにもかかわらず、梅が丘の駅に着いたのが10時30分。

 定刻の10時45分には間に合うと思っていましたが、地図には徒歩5分と書いてありましたが、これがまったく当てにならず、しかも図が間違っていて、あたりをぐるぐる回ってしまいました。なぜこんな間違った地図を役所が平気で使っているのでしょう。結局、徒歩5分が17分かかりました。遅刻です。

 さて、大腸内視鏡検査と言うのは、実は親父が同じ検査をしていて、漫談のネタにしていましたから、おおよそのことは分かっています。親父いわくは前日にバリウムを呑むと言っていましたが、説明会ではニフレックと言う薬品を呑むようです。

 しかもそれを呑む前がややこしく、前日の朝食、昼食、夕食がすべて決まっていて、特定の食事をとります。その食事は全てレトルトで、袋にはシチューや、ハンバーグの絵が描いてあります。旨そうです。然し期待はできません。それ以外のものは食べてはいけないようです。

 その上で、夜にマグコロールと言う下剤を呑みます。体内の腸にこびりついた食べかすをすべて出してしまうのです。坊さんが断食をするのは、こうした体内にある宿便を一度出して身を清めるためです。これは興味があります。その上でニフレックと言う薬を水で溶いて2リットルも飲みます。どうやらこれが親父の言っていたバリウムのようです。白い粉を2リットルの水に溶いて、ひたすら飲むのです。多分飲みにくいでしょう。そこまでの作業をして、翌日の内視鏡の検査に行きます。

 当日は朝食も昼食も食べられません。しかも下剤を呑んで体を空っぽにして健康センターに行くことになります。そこで、肛門から内視鏡を入れて、大腸の内部を検査します。これがどうも抵抗がありますが、なかなか珍しい経験ですから、興味があります。カメラを入れると、すぐに画像が映し出され、内部の様子が見えるようです。便利です。2時30分に始めて、全てが終わるのは4時30分だそうです。

 何も食べずに検査をしますので、その日はゆっくり休むのがいいそうです。私は前後にNHKに撮影があり、場合によっては当日も撮影を考えていましたが、バリウムを呑んだ日は撮影時間を取らずによかったと思います。

 

 いずれにしても、話はこれで終わり。健康センターを後にしたのは12時ちょうどでした。梅が丘から小田急線から地下鉄に乗り換えて、中心街まで出ようと思いました。然し、夕方の踊りまでには時間があります。そうなら途中、表参道に出て、この日は原宿を散策してみようと思いました。

 表参道の並木道を歩くと、鬱蒼と葉が茂り、気分は爽快です。このところ熱さもさほどではなく、いい季節になりました。しばらく歩くとかつての同潤会アパートにつきました。戦前に建てたアパートで、かつての日本人はここに住むことが憧れだったところです。しかし今は建物が古すぎて住むには適しません。

 同潤会は建て替えてファッションの店とレストランが入っています。私は建て替え以来初めて入ります。中は中心が大きならせん状になっていて、3階から歩いてショッピングをしながら、徐々に一階まで下りて行けるように作られています。

 ここまで来たなら食事を奮発します、しかし昨日予定していた鰻屋は見当たりません。原宿でうなぎ屋を探すのは間違いでしょう。3階に広く店を取っているローストビーフのレストランその名も37ローストビーフに入ることにしました。100gのローストビーフと、ランチディナーのセットです。昼ですが、ハイボールも頼みました。内視鏡の話を早く忘れたいと思います。験直しです。

 サラダは丁寧な作りでしたが、スープはまぁまぁです。ローストビーフはわずか100グラムでしたが、肉は柔らかく、適度に脂が乗っていていい出来です。むしろ200グラムを頼んでいたら、胃の負担が重くなって、この後の散歩がしずらくなったでしょう。

 小さくて四角いパンが切り餅のようです。触感ももちもちしています。米粉でも入っているのでしょうか。小麦の味わいを確かめようと、オリーブオイルを頼みました。バターで食べるとバターに味のほうが強くなってしまいます。パンにオリーブオイルをつけて食べるのはイタリアではよくあるやり方です。

 こうして食べると小麦の味わいが強く感じて、パンを楽しめます。素朴でいい味わいです。肉についているソースもパンにつけて食べると、結構満足しました。

 食後に紅茶と、デザートにマンゴーのジェラートが付きました。ジェラートは、フランス料理のソルベよりもアイスクリームに近く、アイスクリームよりも果物の味わいが強いもので、肉食の後のデザートには最適です。

 3000円のセットでしたが、ハイボールを付けましたし、税金がかかりますから、5000円でした。ランチの5000円は高価ですが、窓辺から表参道の並木の緑を眺めながら、ゆっくりイタリア料理が楽しめたのですから満足です。

 

 表通りは、混雑はしていませんでしたが、それでも結構人通りがありました。私の散歩にはちょうどいい混雑です。表参道駅のわき道を歩くとパンケーキの店がありました。ランチを食べてまだ二時間しかたっていませんが、人気のパンケーキを食べてみようと中に入りました、店は「幸せのパンケーキ」名前からして俗っぽいのですが、まぁ良しとします。入り口は狭い地下の店ですが、中は広くきれいです。ベーシックなパンケーキと蜂蜜の入った生クリームの乘ったものを頼みました。

 10代二十代の女性が八組入っていました、一人だけ私と同じ年配の黒い服を着た女性がいました。何とも顔立ちがよく、上品です。指輪やブレスレッドがものすごく高価なものをしています。高円寺の純情商店街にはいないタイプの人です。

 ここのパンケーキは、シンプルなもので1100円。飲み物が500円くらい。税金が付いて1800円くらいでしょうか。十代の女性にはちょっと贅沢な店です。しかしここまで来たのなら値段を惜しまず食べたいのでしょう。

 さてパンケーキは、かつて私が子供の頃に食べたホットケーキとはまるで違う触感です。ホイップされたクリーム状の生地を低温で焼きますのでふかふかです。触感で一番近いのははんぺんです。実際はんぺんのように分厚く、ナイフで切ると多少餅っとします。生地にチーズが溶け込んでいるのでしょうか。味はほの甘く、これは女性に受けます。生クリームには蜂蜜が入っていて甘く、その上にメープルシロップをかけますから、甘い上に甘くなります。私には生クリームはラードを食べているようで、少しくどく感じました。でも、これをブランチ代わりに食すならちょうどいいのでしょう。ふかふかのパンが三枚付いてきてたっぷり甘みが堪能できるのら女性は満足でしょう。

 ガースーさんがパンケーキのファンだと聞きました。その求める好みは分かりました。日中の原宿の散策は楽しいひと時でした。

続く