手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

道頓堀はゴーストタウン

腱鞘炎は致命傷

 さて10日の朝方、右手首が動きません。指先はかろうじて動きますが、手を挙げようとすると痛い、物をつかもうとすると痛い。どうしようもありません。こんな痛みは初めてです。長時間パソコンをいじっていたのがいけなかったのだと思います。とにかく、痛みに耐えて、大阪の稽古場に行って、指導をしなければいけません。

 朝の基礎げいこの際に、嵯都志(さとし)さんの10月のセッションで演じる手順を見なければいけません。ウオンドとシンブル、そしてカードマニュピレーションで構成される手順ですが、いくつか指摘して、手を加えようとしましたが、私が思うように手が動きません。脂汗が出て来ます。特にカードの手順で、いろいろ質問され、見せてあげたいのに、半分も表現できずにもどかしく思いました。

 昼に食事をするころになると、手も動くようになり、午後の手妻の指導は何とかこなすことが出来ました。然し、朝起きたら手が動かなかったと言うのは不安です。今現在(11日)、は東京に戻っていますが、今日早めに整形外科に行ってみようと思います。

 

  道頓堀はゴーストタウン

 10日の指導は3時半くらいまでみっちり行い、その後、キタノ大地さんの車で道頓堀のZAZAに行きました。10月3日にヤングマジシャンズセッションがありますので、その打ち合わせです。堺筋で車を降りて、道頓堀を歩いたのですが、町を見てびっくりです。ほとんど人がいません。祝日の夕方4時です。いつもなら観光客と地元客であふれかえっている道頓堀が、まるでゴーストタウンです。

 大阪府知事も、大阪市長もなぜこんな状況を放って置くのでしょうか。コロナに関わっている場合ではありません。コロナはすでに収束に向かっています。重症者の数が激減しているではありませんか。いくら感染者が増えても、感染しただけならコロナウイルスは決して危険な病気ではありません。風邪をひいたのと同じことです。少しも恐れることではありません。重症感染者が出たなら危険です。然し、今はもう大丈夫です。

 むしろ今は町の振興策に乗り出すべきです。こんな状態を何か月も放置していては大阪が死滅します。二年前、心斎橋から、道頓堀、戎橋と、まるでパレードのように観光客がひしめいて歩いている姿を見て、私は大阪の持つ魅力に圧倒されました。アジアの人がこんなにたくさん大阪に来て楽しんでいるんだ。こんな町は世界中どこにもない。と、びっくりしました。

 それが今、ひっそりと静まり返った大阪の町を見て、何たることだと憤りを感じました。大阪をこんな風にして、対策を立てないのはいけません。中国とも、台湾とも、香港ともシンガポールとも、交流を復活させて、観光客を呼び込むべきです。

 

劇場は青息吐息

 ZAZAに入って、支配人の吉本さんと打ち合わせを始めましたが、当然のごとく吉本さんは元気がありません。顔を見ていると万策尽きた感があります。何とか支援してあげたいのですが、私の力は微々たるものです。

 吉本さんは、昔の中座の敷地に立つ飲食店ビルの地下スペースを全て借りて、ライブハウス2軒。小さなミュージカル劇場1軒を作りました。ライブハウスは若手の芸人が借りて、結構にぎわっていました。ミュージカルの方は、地元の商店会や、大阪府経産省などの支援金を得て、始めたもので、もう一年続いています。

 然し、そもそもインバウンドを当て込んで始めた和製ミュージカルが、アジアの観光客が全く来なくなって、この半年で徹底的に打ちのめされました。そして10日の昨日、ミューカルは最終公演を演じて、終わりました。1年続けたのは立派です。然しその努力は必ずしも報われたとは言えないでしょう。

 ミュージカルを演じていた舞台は、閉鎖をするそうです。残された二つのライブハウスはどうなるのでしょう。どうも、閉鎖の可能性があります。私にとっては10月3日のヤングマジシャンズセッションが控えていますので、今更閉館となるのは困りますが、この先がどうなるかはわかりません。

 いやはや、道頓堀に行って、吉本さんと話が出来て良かったと思います。この先どうなるかは神のみぞ知る状況です。大阪全体が意気消沈しています。こんな時期に市長はコロナウイルスにばかり関わっていてはいけません。イソジンの宣伝をしている場合ではないのです。コロナは終息しつつあることを世間に伝えることです。

 

数の魔法に騙されるな

 そもそも、コロナウイルスをここまで連日報道する理由がどこにありますか。感染者の数が増加していると言っても全体から見ると微々たるものです、死者も、ようやく1000人を超えた状況です。1月から8月までかかって1000人の死者と言うのは、肺炎や、インフルエンザと比べたなら数分の一の数です。ましてや交通事故の死者と比べたならわずかな数です。それが、連日、交通事故の死者数は語らないのに、なぜコロナウイルスだけが特筆されて大騒ぎをしますか。馬鹿な話です。

 やがて40万人の死者が出ると言った医者はどこへ行ったのですか。国会で、二週間のうちにアメリカ並みの死者の数になると言った東大教授はどこに行ったのですか。権威ある人たちが嘘ばかり言って、結果、人の不安を煽るようなことをして、国の衰退を招いてしまっているではありませんか。いつまでこんなことを続けているのですか。

 

東京は大丈夫なのですか

 地方都市に行くと、「東京は相当ひどい状況なのでしょう、大丈夫ですか」。と聞かれます。私は、「とんでもない、何でもないですよ」と返事します。丸で、路上にコロナウイルスに罹った人があちこちに倒れているかのような状況を想像しているのかもしれません。然し、東京の日常は、何も問題がありません。多くの人は連日報道される数字のトリックに惑わされているのです。1300万人の人が住む東京で、コロナウイルスの感染者は1000人に一人です。少なくとも私の親戚や、友人にコロナウイルスに感染した人などは一人もいないのです。全くそんな人の話は聞きません。

 「新宿は危険な町でしょう」。等と言う人がありますが、全然危険ではありません。私は毎月、東急ハンズや、オカダヤに行きますが、何ら問題はありません。新宿末広亭は連日営業していますが、お客様も、噺家も元気です。浅草も、演芸ホールや、東洋館の漫才落語の劇場は通常営業しています。観光客は少ないですが、その分、町もゆっくり見物できます。東京のどこに非常事態の条件があるのでしょう。

 小池都知事が連日テレビに出て来て、コロナウイルスのコメントをする理由がわかりません。都知事のなすべきことはコロナの感染者の発表ではなく、経済の浮揚策を示すことでしょう。不安を煽っていては人は委縮するばかりです。そうした先に何がが起ころは知ってやっているのでしょうか。

 これ以上不景気風が吹くと、自殺者が大量に出ます。その数がコロナウイルスによる死者を上回ることになるでしょう。そうなって、コロナウイルスは終息したと自慢できるでしょうか。早く普通の生活に戻すことです。コロナは怖くないと伝えることです。

続く