手妻師 藤山新太郎のブログ

1988 年、1994 年に文化庁芸術祭賞、1998 年に文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2010 年には松尾芸能賞 優秀賞を受賞。 江戸時代に花開いた日本伝統奇術「手妻(てづま)」の数少ない継承者 藤山新太郎のブログ。

コロナの陰で

 昨日、コロナウイルスは、もっと大きな問題を隠すためのミスディレクションではないか。と書きました。仮にそうであるなら、隠れた問題とは何かということですが、私は、中国対アメリカのパワーバランスにあるのではないかと考えます。

 それは、中国の経済がどんどん大きくなっていくことに対して、世界が危険視しているのではないかと思います。中国が、日本企業や、ヨーロッパの企業の下請け仕事をしているときには便利に使われていたのですが、だんだん企業が大きくなって、自社で何でも作れるようになり、それにつれて、中国の収入が大きくなってゆくうちに、中国を危険視する考えが先進国の間で定着したのだろうと思います。

 そこで、アメリカはファーウェイを狙い撃ちして、中国の先端企業をけん制し、同時に、中国は、後進性を引きずったままの国ですから、三年に一回くらい、ウイルスを発生させて、世界中に迷惑をかける国であることを強く印象付けて、後進性を見せつけるために、コロナウイルスを過大に触れ回っているのではないでしょうか。

 

 コロナウイルスの感染者が、日本、韓国くらいだったころは、欧米も、静観していたのですが、自国に及んでくると、急に大騒ぎです。しかもその騒ぎ方が異常です。

 アメリカ、日本、韓国、ドイツ、フランス、などは、いまや中国のライバルです。アメリカやヨーロッパ各国の中国批判は日に日に高まっています。イタリアは、中国の「一帯一路」の政策に乗っかって、中国から資本を借りて、国の立て直しをしようとしている国です。資金を貸してくれたことはありがたいのですが、同時に中国人の労働者がどんどん入って来て、それがたまたま中国南部出身者が多かったために、コロナウイルスまで一緒に輸入してしまい、大騒ぎです。イタリア国内にも、中国に寄りかかり過ぎた政策への批判が集まり、今日の過大なコロナ対策につながっているのでしょう。

 実際、毎回新型のウイルスが発生する地域が、ほぼ中国の奥地に限定されます。ヨーロッパ人から見たら、このことだけで、中国は先進国に入ることは絶対に不可能です。欧米がウイルスを実態以上に過大に対応するのは、先進国による中国外しと取れます。今回のウイルスの話の中に、ロシアが一切関係してこないことも不可解です。陰に何か理由がありそうだと手妻師は勘繰っています。

 

 日本も同様に、かつて、先進国との軋轢がありました。その最たるものは太平洋戦争です。第二次世界大戦のアジア側で起こった戦いを太平洋戦争と呼びます。多くの人は、この戦いを日本が中国を侵略したため起こった戦いと考えていますが、実態は日本の経済成長を嫉んだ先進国が不満を持ち、アメリカが中国に武器を貸与し、先進国が日本にABCDラインを敷いて、包囲したことが戦争につながったのです。根にあるものは先進国との領土の分割であり、利権の争奪です。

 戦後、日本は軍隊を放棄して、経済に特化してゆきますが、そこでも、先進国との様々な対立を生みます。しかし、軍備を持たない日本は徐々に先進国や、周辺国の信頼を勝ち得て大国の一つになってゆきます。

 

 そうした中で、中国に対する反発が大きくなるというのは日本にとって、余りいいことではありません。一度中国が悪い国だというレッテルが張られると、欧米人の中で、日本、中国、韓国人が悪い人間になってゆきます。それは欧米人には、日本人と韓国人、中国人の見分けがつかないからです。それはある意味当然なことで、我々も、ドイツ人、オランダ人、イギリス人の見分けは付けにくいのです。

 先進国の間で、中国人は危険だとなると、日本人や韓国人にまで被害が及ぶ可能性があります。このまま行くと150年前の「黄禍論」が再燃しそうです。黄禍論と言うのはドイツの学者が唱えた考えで、「アジア人は安い労働賃で必死に働く、やがて世界は、アジア人が制覇し、白系の民族の仕事を奪ってゆく」。と、唱えたもので、ある意味、この理論は150年後の世界を予見していたことになります。

 特に日露戦争で日本が勝利した後、しきりに欧米では黄禍論が騒がれました。これにより、当時、海外に進出しようとした日本人は、言われなき差別を受けて大変に苦労をしました。「黄禍」の黄は当時は日本人に対しての差別でした。

 今現在、黄禍論は過去の古い考えだと多くの人が思っていますが、どうでしょうか、これが再燃して、人種差別が起こらないと言えるでしょうか。欧米が経済悪化によって、人種差別を語るようになり、黄禍論を振りかざすようになると、世界は危険な方向に進みます。戦争は、自国がうまく機能しなくなったときに、その責任を他国に押し付けます。その結果戦争が起こります。

 

 戦争の事の起こりは、他国に対する悪口から始まります。「悪口が戦争になるなんて考えられない」。人はそう思いますが、そう言っているうちに戦争は起こり、その戦争に、今、儲かっていて、景気の良い国が、武器や資金を戦争当事国に貸して、肩入れするようになると、たちまち大戦に発展します。嘘だと思うなら、第一次大戦、第二次大戦の資料を見てください。こんな時、日本はどう生きたら良いのでしょうか。

 少なくとも日本は、中国や、韓国と争っている場合ではないことは明らかです。何とか三国は力を合わせて活動しなければなりません。しかし、しかしです。周辺国に覇を唱え、軍備拡大している中国と、日本を敵のように考えている韓国に手を差し伸べて、共に仲良く生きて行こうというのは簡単ではありません。

 簡単ではないのですが、少なくとも、日本人の側から、言われなく中国人や韓国人を嫌ってはいけません。相手が何を言っても、いざとなったら助けてあげられる道筋だけは残しておくべきでしょう。この先の日本政府の、中、韓に対する匙加減が、案外世界恐慌を救うことになるのかもしれません。日本の役割は重要だと思います。

 

 と、話は大袈裟になりましたが、5月のヤングマジシャンズセッションでは、韓国のハンマンホが来日します。来日するとは書きましたが、本当に来れるかどうかは今のところ未知数です。何とか八方手を尽くして、来日できるように工夫します。世界がどうあれ、マジックの世界だけは、人種で差別をしないようにしたいものです。

 いいマジックを見せてくれるなら、人種なんて関係ないのです。面白いから見る、いいから見る。それ以上の何物でもなく、またそれ以外の余計な考えは不要です。

こんな状況にあって、5月は得難いショウになりそうです。どうぞ、興味の方は今から予約をしてください。既に30%くらいのチケットが売れています。良い席はお早めに。